[micro:bit] 私がmicro:bit沼から這い出せない理由~初学者にやさしい~

 コロナ禍の夏休み、近所に住む小学生たちと夏休みの宿題をかねて、「micro:bit」の使い方を学習することになった。
 学習が進むにつれプログラミング学習教材や情報処理学習教材としてのすばらしさに私自身が「micro:bit」の魅力に引かれていった。
 そこで、在宅勤務の課題として、義務教育の時には体験していないプログラミングの初学者である高校生にも導入しやすい教材として「micro:bit」の魅力をまとめてみました。1.義務教育のプログラミング教育(小学校学習指導要領)に適合

1.義務教育のプログラミング教育(小学校学習指導要領)に適合

:プログラミング教育導入の目的
 小学校段階におけるプログラミング教育は、これら三つの資質・能力のうち「情報活用能力」の育成を目的とした教育活動の一つとして導入されました。

:情報活用能力とは
 情報活用能力は、世の中の様々な事がらを情報とその結び付きとして捉え、情報及び情報技術を正しく、そして、効果的に利用して、問題を発見・解決したり自分の考えをまとめたりしていくために必要な資質・能力のことです。

:主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)の実現に向けた授業改善 子どもたちが将来どのような職業に就くとしても時代を越えて普遍的に求められる「プログラミング的思考」を育むため、小学校においては、児童がプログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動を計画的に実施する。

2.安心して導入できるグローバルな教材

:micro:bit(マイクロビット)とは
 micro:bitは、2016年にイギリスの公共放送局であるBBC(英国放送協会/British Broadcasting Corporation)が中心となって開発した教育用のコンピューターボードで、正式名称を「BBC micro:bit(ビービーシーマイクロビット)」といいます。公共放送局がコンピューターを開発した、と聞くと不思議に感じられるかもしれませんが、BBCでは1980年代にも、子ども達のコンピューターリテラシー向上を目的としたプロジェクトを立ち上げ、BBC Microという教育用パソコンを市場に投入しています。BBC micro:bitは、その未来の形というわけです。

:100万台の無料配布
 BBCでは、micro:bitを一般向けの販売ではなく、まずイギリス国内の教育機関へ向けて無料配布することに注力しました。その規模は、なんと100万台。イギリスの11才~12才(日本の小学校5年生・6年生)のすべての児童に配布し、世界の注目を集めました。

:micro:bit教育財団の設立
 世界中に普及させることを目的として非営利団体(NPO)で扱うことが決まり、2016年10月、micro:bit教育財団が設立されました。財団の設立後、1年足らずで40カ国に普及させました。この記事の執筆時点では、すでに50以上の国で普及し、micro:bitのウェブサイトは26カ国語で見ることができます。

:日本への上陸
 2017年8月、micro:bitが日本へ上陸し、ウェブサイトとプログラミング環境が日本語に対応しました。

:現在の広まり
 2020年には世界販売台数500万台に達しました。

3.Micro:bitは導入が簡単で安価

:取り扱い準備
 アプリのインストール、設定・組立、ユーザ登録、充電やペアリングも不要です。ネットにアクセスできるブラウザさえあれば、あらゆる環境からすぐにプログラミング学習をスタートする事が出来ます。もちろん、オフライン学習で動作するアプリもあります。
※スマホでの学習の場合にはアプリのインストールとペアリングが必要な場合があります。

:長時間、電池で単体動作
 micro:bitはコンピュータですから、プログラミングをする時はPCやタブレットの助けを借りますが、作ったプログラムをインストールした後は、単体で動作します。動作する際の電源は、USBケーブルや乾電池を利用します。micro:bitはエコロジーなつくりで、もちろん、電池の種類やプログラムの作りにもよりますが、単4電池2本で3日以上連続動作する事が出来ます。このため実験的フィールドワークや展示などにも向いています。

:多くのセンサーや無線を搭載しながら低価格
 図形や文字を表示できる25個のLEDディスプレイ、左右二つのボタン、マイク、スピーカー、加速度センサー(傾きや加速度)、地磁気センサー(磁力や方位)、温度センサー、タッチセンサー、光センサー、簡易でありながら、よく使う機能が揃っています。
 USBと無線(Bluetooth)接続よるデータ送受信が可能です。
 入出力端子(GPIO)により、外部機器接続が可能です。
 上記の多くの機能が予め搭載されていて、小さなデバイスにまとめてあり、かつ操作がシンプルで、価格は2,000円(税別)は破格の安さです。
 余計な配線を抑えたスムーズな授業展開を行うことが出来るようになっています。
ですから、プログラミング教育に革新を起こしました。

4.ビジュアルプログラム言語の使用と発展性

:MakeCode(ビジュアルプログラミング言語)
 プログラム開発環境は、Microsoftが26ヶ国語に対応した「Microsoft MakeCode for micro:bit」(ビジュアルプログラミング言語)を無料提供。

:Scratchとの親和性
 現在のプログラミング教育の現場で数多く使われているScratchも3.0から拡張デバイスとして接続環境を提供しています。

:興味のある子供は、本格的なテキストプログラミングへ
 micro:bitは、MakeCodeやScratchが提供するブロックを使ったビジュアルプログラミングだけでなく、テキストベースの本格的なプログラミング言語であるjavascriptやpythonなどへの発展がはかれます。興味のある子どもは、本格的なプログラミングの世界へと進む事が可能です。

5.プログラミング的思考過程の学習ができる

 :「プログラミング的思考」とは
 自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つひとつの動きに対応したブロックを、どのように組み合わせたらいいのか、ブロックの組合せをどのように改善していけば、自分の考えた動きに近づくのか、といったことを論理的に考えていく力のことです。

ここで、プログラミング的思考を順序立てて見てみましょう。
①コンピュータにどのような動きをさせたいのかという自らの考えを明確にする
②コンピュータにどのような動きをどのような順序でさせればよいのかを考える
③一つひとつの動きを対応する命令(ブロック)に置き換える
④これらの命令(ブロック)をどのように組み合わせれば自分が考える動作を実現できるかを考える
⑤その命令(ブロック)の組合せをどのように改善すれば自分が考える動作により近づいていくのかを試行錯誤しながら考える
 ひとつの例ですがこのようになります。

6.様々な単元で活用可能

小学校・中学校・高校におけるさまざまな教科(単元)で活用できるように、多くのセンサーと機能を搭載しています。(外部拡張が必要なものもある)

以下に利用できそうな例をあげてみなす
小3:理科「電気の通り道」「磁石の性質」、社会「消防署の仕事」「市の様子」「警察の仕事」
小4:理科「月や星」「物のあたたまり方」「物と体積と温度」
小5:理科「振り子の運動」「天気の変化と台風」「植物の発芽と成長」、算数「速さ」「拡大図と縮小図」、家庭科「すまい方」
小6:理科「電気の利用」「自然災害」「生物と環境」「ものの燃え方」

小全学年:総合的な学習の時間、体育、音楽、図工

中1:理科「音・光の性質」「物質の状態変化」「生物」「地震」
中2:理科「電流」「気象」、技術家庭「生物育成」「住生活」
中3:理科「運動とエネルギー」「水溶液とイオン」、技術家庭「情報に関する技術」

中全学年:体育、音楽

高校:情報、物理「重力」、数学「三角関数」

7.まとめ

:「学習の基盤となる資質・能力」の育成を図る
 言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力のことを学習の基盤となる資質・能力というが、子どもの発達の段階を考えながら、各教科などの特徴を生かし、教科など横断的な視点からカリキュラムを作るようにし、子どもたちの育成をはかることが重要となっている。

 そのなかで、プログラミング教育のねらいは、次の三つであると言えます。
1:自分が意図する一連の活動を実現させるために、その手順の組み合わせを論理的に考えていくプログラミング的思考を育てること。
2:論理的思考力を育むとともに、プログラムの働きやよさ、情報社会がコンピュータをはじめとする情報技術によって支えられていることなどに気付き、身近な問題の解決に主体的に取り組む態度やコンピュータ等を上手に活用してよりよい社会を築いていこうとする態度などを育てること。
3:教科などで学ぶ知識及び技能などをより確実に身に付けさせることです。

最後に、プログラミング教育は「プログラミング言語を覚えたり、プログラミングのテクニックを習得することをねらいとしているのではない」と言うことを忘れないでください。

参考資料

小学校学習指導要領(平成29年告示)
小学校学習指導要領(平成29年告示)解説【総則編】
小学校プログラミング教育の手引(第三版)
なお、これらはすべて、文部科学省のウェブサイト(http://www.mext.go.jp/)で公開されているものです。

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